ランチパックパニック
山崎製パンのランチパック。
皆さんご存知の、有名な四角いサンドイッチ。
その有名なランチパックシリーズに、こんな商品がある。
やまゆりポークの豚肉入りポークカレー
…お気づきだろうか、この違和感。
やまゆりポークが豚肉だということは見てすぐ分かる。にも関わらずわざわざ豚肉入りと強調し、更にポークカレーとまで続ける。
何故なんだ。
一番簡潔な名前は『やまゆりポークカレーサンド』とか『やまゆりポーク入りカレーサンド』とかだろう。
なぜわざわざ二重にも三重にも豚肉やポーク強調させるんだ。
これだけじゃない。
ランチパックのパッケージは、商品名の下に商品説明も書かれている。
もちろんこの商品にも説明があるのだが、その内容が以下の通りだ。
"やまゆりポークの豚挽肉入りポークカレーをサンドしました"
なんだこれ、まるで説明になっていない。
いや、むしろ商品名が説明的な分、ここまで同じ文では逆に説明し過ぎかもしれない。
もう、奇跡の矛盾が起きている。
厳密に言えば、文字は豚肉から豚挽肉に変わっていのだが、豚肉をミンチにするより先にもっと細かく見るべき点があるだろう。
一度気になり出したら納得いくまでとことん突き詰めないと気が済まない僕。
残念だったな、ランチパック…
僕はまだ君を食べるわけにはいかないんだよ。
取り出したランチパック本体を片手に、僕はこの豚肉のオンパレードパッケージとにらめっこした。どうしても真相が知りたい。
そもそも、元のやまゆりポークを使用したカレーの正式名称が『やまゆりポークの豚肉入りポークカレー』なのかもしれない。
だとしたら説明がつく。
他会社とのコラボであれば正式名称にして出さなければ失礼に当たるだろうし、尚更だ。
僕はスマホでやまゆりポークについて調べた。
(もちろん片手には、まだ一口も食べていない当事者)
結果、そんな名前のポークカレーは存在しなかった。
…もうパニック。
ランチパックパニック。
本当に、なんのためにここまで豚肉にこだわるの。
辛うじてあったのは『やまゆりポークカレー』
神奈川県が誇るブランド豚肉のやまゆりポークを使用したカレーである。
ほら、もうやまゆりポークカレーサンドでいいじゃないか。
なんでだよ。
なんでなんだよ。
なんで、こんなこだわるの。
なんで…こんな、なんで…
消えないモヤモヤと苛立ちが募る。
もう一度、パッケージを眺める。
『やまゆりポークの豚肉入りポークカレーサンド』
ポーク…豚肉…ポーク…サンド
ポーク豚肉ポーク…サンド?
ポークで、豚肉を、サンド…
山崎製パンさん、参りました。
僕はこれが、皆さんご存知の有名な四角いサンドイッチだということを忘れておりました。
何故ここまでクドくポークや豚肉と表記するのか。
何故やまゆりポークの豚肉入りポークカレーサンドなのか。
やまゆりポークカレーサンドじゃ意味がない。
やまゆりポークの豚肉入りカレーサンドでも駄目なんだ。
『豚肉』という文字を『ポーク』という文字で『サンド』しないと意味がなかったんだ。
だから
やまゆりポークの豚肉入りポークカレーサンド
なんて粋なネーミングセンス。
文字で有名サンドの意地を見せた最高の名前。
さすがだ。
してやられた。
ってまぁ、ここまで白熱しておいて実際の真意は分からないのだが、それはそれでもう良いや。
久しぶりに頭を使ったし、パッケージひとつでこんなに楽しめた、感動した。僕の人生のなかでも5本の指に入る衝撃的な出来事だ。
そして、ちゃんと美味しい。
ありがとう、ランチパック。
ありがとう、山崎製パンさん。
ごちそうさまでした。
それじゃ、また。
(今日、初めて太文字機能を知りました。試しに使ってみたけど、少しクドかったかな、やまゆりポークくらい?って、やかましいか、やまゆりポークかよってね…あ、ごめんね。)